知られていない秋のアレルゲン

 「アレルゲン」はアレルギー症状を引き起こす原因物質です。イネ科(アシ、ススキ、水稲)、キク科(ブタクサ、ヨモギ)、クワ科(カナムグラ)などによる秋の花粉症は知られてきましたが、イネ科花粉症の方には、刈り取ったイネワラの粉、モミガラ、脱穀のときの粉塵、ワラを燃やした煙もアレルゲンとなり、ぜんそく様発作などを起すことがあります。吸い込まない、触らないように気を付けましょう。
 花粉以外で重要なのが「昆虫アレルゲン」です。秋は、ガ(光に呼び寄せられるガの他に、穀類や菓子類、衣類に発生するガが室内にもいます)、ユスリカ(吸血する蚊とは異なり沼や川で発生する蚊)、ゴキブリなどが最も多くなる季節です。粉砕されたこれら昆虫の死骸がハウスダストとなり吸引され、ぜんそくアレルギー性鼻炎が生じます。
 また9月〜10月の秋期にかけて増加するカビ(空中真菌)にも注意が必要です。高湿、20-30℃の室温、有機物の汚れ、空気滞留、ホコリが多い、結露した場所などに発生します。カビの胞子はとても小さく、細い気管支にまで到達するので、気管支ぜんそくや過敏性肺炎などの原因となります。胞子が大きいアルテルナリア(ススカビ)は鼻にも沈着してアレルギー性鼻炎の原因になります。
 上記アレルゲンへの過敏性の有無は採血で調べることができます。秋にもアレルギー症状が出る方は是非一度最寄りの医療機関にご相談ください。


耳鼻咽喉科みやこクリニック 都築秀明
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知多ホームニュース(第582号平成23年9月上旬号)
「みんなのからだ その18」掲載